トップ>労務・人事>労使協定。届出が要るもの・要らないも

労使協定のほんとうのところ 締結だけでいい協定と、 届出が要る協定があります 36協定は届出必須。賃金控除は締結だけでOK 過半数代表の選び方 民主的な選出 投票・挙手など。会社の指名は無効

労使協定。届出が要るもの・要らないものを一覧にします

結論

労使協定とは、会社と労働者側(過半数組合、なければ過半数代表者)が書面で結ぶ協定です。役割は「本来は法律違反になることを、労使の合意があれば適法にする」——いわば免罰効果を持つ書面です。

最も有名なのが36協定(時間外・休日労働)ですが、種類は他にも多くあり、労基署への届出が必要なものと、締結して社内に備え置くだけでよいものに分かれます給与から社宅費や親睦会費を控除するにも「賃金控除の協定」が必要——これを知らずに控除している会社は少なくありません。数名の会社が最低限そろえるべきものを整理します。

主な労使協定と届出の要否

労使協定の種類(2026年7月時点)
協定内容届出
36協定時間外・休日労働をさせる必要(届出しないと効力なし)
1年単位の変形労働時間制繁閑に応じた労働時間の配分必要
フレックスタイム制(清算期間1か月超)始業終業を労働者が決める必要(1か月以内は不要)
賃金控除の協定給与から法定控除以外(社宅費・貸付金・親睦会費等)を差し引く不要(締結・保存のみ)
計画年休の協定有給の計画的付与(5日義務の達成に有効)不要
時間単位年休の協定1時間単位で有給を取得可能に不要
育児・介護休業の除外協定入社1年未満の者などを対象外にする不要

過半数代表者の選び方(最重要)

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数名の会社が最低限そろえるもの

  1. 残業があるなら36協定(届出)…1人でも1分でも残業させるなら必須。詳しくは36協定の記事で書いたとおりです
  2. 給与から何か引くなら賃金控除の協定…社宅費・社員旅行の積立・親睦会費・貸付金の返済など。法定控除(税・社会保険)以外を引くには協定が必要で、届出は不要ですが書面は必須です
  3. 有給を計画的に消化させるなら計画年休の協定年5日の取得義務を確実に達成する手段として有効。夏季・年末年始に組み込む形が定番です
  4. 時間単位年休を導入するなら協定…通院や学校行事に使いやすくなり、満足度が上がります。ただし時間単位の取得は5日義務のカウントには使えない点に注意

就業規則との関係

よくある質問

Q労使協定と労働協約は違いますか

違います。労働協約は労働組合と結ぶもので、より強い効力(規範的効力)を持ちます。労使協定は過半数代表とも結べる、免罰効果が中心の書面です。

Q従業員が1人でも労使協定は必要ですか

必要です。その1人が過半数代表になります(本人の同意を得て署名してもらう形)。人数が少なくても手続きは省略できません。

Qパートやアルバイトも過半数の分母に入りますか

入ります。正社員だけでなく、その事業場で働くすべての労働者(管理監督者を含む)が分母です。代表になれないのは管理監督者だけです。

Q協定書と協定届の違いは何ですか

協定書は労使が合意した内容の書面、協定届は労基署に提出する様式です。36協定は様式第9号が届出書を兼ねる形で運用されており、署名押印があれば協定書としても機能します。

まとめ

この記事の要点

① 届出が要るのは36協定・1年単位の変形労働時間制など。賃金控除・計画年休・時間単位年休は締結のみ。
② 給与から法定控除以外を引くには賃金控除の協定が必須(知らずに控除している会社が多い)。
③ 過半数代表は民主的選出が絶対条件。会社の指名は協定ごと無効になる。
④ 就業規則とセットで必要な制度が多い。備え置き・有効期間の管理もカレンダー化を。

この記事は2026年7月27日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。

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