離職票。会社がやること、本人に届くまでの流れ
離職票(正式には雇用保険被保険者離職票)は、失業給付(基本手当)の手続きに必要な書類です。よくある誤解ですが、離職票を発行するのは会社ではなくハローワーク。流れは「会社が退職日の翌日から10日以内に、雇用保険の資格喪失届+離職証明書をハローワークへ提出→ハローワークが離職票を交付→会社が本人へ送付」です。だから本人の手元に届くまで、退職から2週間前後かかるのが普通です。
「離職票がまだ届かない」の大半はこのリードタイムの誤解ですが、会社側の提出が遅れているケースも実際にあります。会社がやるべきこと、本人が確認すべきこと、離職理由をめぐる注意点まで整理します。
発行の流れと日数
| ステップ | やること | 期限・目安 |
|---|---|---|
| ①会社→ハローワーク | 雇用保険被保険者資格喪失届+離職証明書(賃金支払状況・離職理由を記載)を提出 | 退職日の翌日から10日以内 |
| ②ハローワーク→会社 | 離職票-1・離職票-2を交付 | 数日〜1週間程度 |
| ③会社→本人 | 離職票を郵送等で交付 | 受領後速やかに |
| ④本人→ハローワーク | 離職票を持って求職申込み・失業給付の手続き | 本人の管轄ハローワークで |
離職証明書には本人の記名(内容確認)欄があります。退職前に賃金・離職理由を確認してもらっておくと、後の行き違いが減ります(本人が確認できない場合は事業主の疎明で提出可能)。
会社側の実務ポイント
- 本人が希望しなければ省略できる。ただし59歳以上は必須…転職先が決まっている人は不要と言うことが多いですが、迷ったら出すが安全です。後から「やっぱり必要」と言われて手続きをやり直すより、退職時に希望を書面で確認して一緒に処理するのが実務の型です
- 離職理由は給付に直結する…自己都合か会社都合(解雇・退職勧奨・雇止め等)かで、給付制限の有無・給付日数が変わります。事実と違う理由を書くのは絶対にNGで、本人には異議を申し立てる仕組み(ハローワークでの主張・確認)があります
- 賃金欄は直近6ヶ月+の支払実績…給付額の計算基礎になるため、締め日ごとの賃金を正確に転記します。労務ソフトからの自動作成が誤記防止の近道です
- 提出が遅れると本人の給付が遅れる…10日の期限を過ぎても受理はされますが、その分だけ本人の手続きが後ろ倒しになります。「退職者への最後の義理」として最優先処理が筋です
本人側から見た確認ポイント
- 2週間過ぎても届かないなら会社へ確認…まず会社に提出状況を聞き、それでも進まなければハローワークに相談すれば、ハローワークから会社へ督促してもらえます
- 離職票なしでも仮手続きができる場合がある…離職から時間が経っている場合、ハローワークで事情を話せば仮の求職申込み等の案内を受けられます。待つだけにしないのがコツです
- 記載の離職理由が事実と違ったら…署名を拒否できますし、給付手続きの際にハローワークへ異議を伝えれば調査されます。証拠(退職勧奨のメール等)があると通りやすくなります
- 再発行はハローワークへ…紛失時は本人がハローワークで再発行を申請できます(会社経由でなくても可)。源泉徴収票の再発行が会社への依頼なのと対照的です
関連手続きとの整理
- 退職時の書類は3点セットで考える…①離職票(失業給付用)②源泉徴収票(税金用)③健康保険の資格喪失を証明する書類(国保切替用)。退職手続きの記事の時系列に組み込んであります
- 離職票と退職証明書は別物…退職証明書は労基法上の書類で会社が直接発行するもの。国保の切替などで「退職の証明」が急ぎ必要なときは、こちらのほうが早く出せます
- 電子申請なら往復が速い…e-Gov経由の喪失届・離職証明書の提出は、窓口持参より処理が早く控えも残ります。入退社が年数回でも、電子申請の型を一度作る価値があります
- マイナポータルでの受け取りも広がっている…離職票の電子交付の仕組みも整備が進んでいます。対応状況はハローワークの案内で確認してください
よくある質問
Q離職票と離職証明書は何が違いますか
離職証明書は会社がハローワークに出す申請書類、離職票はその結果ハローワークが交付する本人用の書類です。名前が似ていますが、作る人と受け取る人が違います。
Qアルバイトでも離職票はもらえますか
雇用保険に加入していた人なら雇用形態を問わず対象です。加入していなければ離職票自体が存在しません。
Q退職からかなり経ってから離職票を請求されました
対応義務があります。資格喪失手続き自体は済んでいるはずなので、離職証明書を作成して交付の手続きを進めてください。拒否はできません。
Q失業給付をもらわない人にも出すべきですか
本人が希望しなければ省略できます(59歳以上を除く)。ただし転職先の早期退職など事情は変わり得るので、希望の有無を退職時に書面で確認しておくのが会社の防御になります。
まとめ
① 発行者はハローワーク。会社は退職翌日から10日以内に喪失届+離職証明書を提出する係。
② 本人に届くまで2週間前後が正常。届かないときは会社→ハローワークの順で確認。
③ 離職理由は給付に直結。事実どおりに書き、本人には異議申立の仕組みがある。
④ 59歳以上は必須・迷ったら出す・再発行はハローワークで本人申請可。
この記事は2026年7月27日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。