トップ>労務・人事>退職金規程。作れば支払義務

退職金の法的性質 法律上の義務は ありません。 ただし規程を作れば労働契約の内容になります 規程がある場合 支払義務 就業規則の絶対的必要記載事項になる

退職金規程。作れば支払義務が生じ、作らなければ支払義務はありません

結論

退職金の支給は法律上の義務ではありません。労働基準法にも支給を義務づける規定はなく、制度を設けるかどうかは会社の判断です。

ただしいったん退職金規程を作れば、その内容が労働契約の内容となり支払義務が生じます。また規程がなくても、長年にわたり一定の基準で支給してきた慣行があれば、支払義務が認められることがあります。作るなら計算方法と支給制限を明確に、作らないならその旨を就業規則に書いておくのが実務です。

法的な位置づけ

規程に定める内容

  1. 適用範囲…正社員のみか、パートも含むか。勤続年数の下限(例:勤続3年以上)を設けるかを決めます
  2. 計算方法基本給連動型(退職時の基本給×支給率)、ポイント制、定額制などがあります。基本給連動型は昇給に伴い退職金債務が膨らむ点に注意します
  3. 支給率…勤続年数と退職事由(自己都合・会社都合)で区分するのが一般的です
  4. 支払時期…「退職後◯か月以内」と定めます。定めがなければ請求から7日以内になります
  5. 支給制限…懲戒解雇の場合の減額・不支給、競業避止義務違反の場合の取扱いなどを定めます

懲戒解雇時の不支給

不利益変更の限界

当社は3名の会社で、退職金制度をどう設計するかは現実の検討課題です。中退共なら掛金が損金になり資金も外部に積み立てられますが、いったん始めると減額に従業員の同意が必要になります。「作らない」という選択も含めて、就業規則に明記しておくことが出発点になります。

よくある質問

Q退職金を支払わなくても違法ではありませんか

違法ではありません。退職金の支給を義務づける法律はなく、制度を設けるかは会社の判断です。ただし就業規則や規程に定めた場合、または慣行が確立している場合は支払義務が生じます。

Q懲戒解雇なら退職金を払わなくてよいですか

規程に支給制限の定めがあることが前提です。定めがあっても全額不支給が認められるのは、それまでの勤続の功を抹消するほどの重大な背信行為があった場合に限られます。

Q中退共に加入していれば懲戒解雇でも支払われますか

原則として支払われます。会社が減額を申し出て厚生労働大臣の認定を受けた場合を除き、退職金は従業員に直接支払われます。自社規程で不支給としていても中退共の給付は止まりません。

Q退職金制度を廃止できますか

既に発生している権利を消滅させることはできません。不利益変更には高度の必要性と合理性が必要です。新規採用者から適用しない形にするのが現実的です。

まとめ

この記事の要点

① 退職金の支給は法律上の義務ではない。制度を設けるかは会社の判断。
② 定めたら就業規則の絶対的必要記載事項になり、賃金として支払義務が生じる。
③ 規程がなくても慣行があれば義務が認められることがある。作らないなら明記する。
④ 懲戒解雇での不支給は規程の定めが前提で、全額不支給が認められるのは限定的。
中退共の給付は会社が止められない。減額には厚生労働大臣の認定が必要。

この記事は2026年7月31日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。

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