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事業ゴミの出し方。「量が少ないから家庭ゴミへ」が一番危ない
オフィス・店舗・自宅兼事務所の事業スペースから出るゴミは、量に関係なく事業系廃棄物です。家庭ゴミの集積所に無料で出すことはできず、廃棄物処理法に反します。「うちは少ししか出ないから」が通用しないのがこの制度です。
とはいえ出口はシンプルで3つ。①少量なら区の収集に「事業系有料ごみ処理券」を貼って出す(品川区の実額:45L券1枚391円)、②許可業者と収集契約を結ぶ、③入居しているビルのゴミ庫ルールに従う。ビルの管理側としてテナストのゴミ問題に日々向き合っている立場から、実額と実務で解説します。
まず区分:オフィスのプラスチックは「産廃」という盲点
| 区分 | 該当するもの(オフィスの例) | 出口 |
|---|---|---|
| 事業系一般廃棄物 | コピー用紙などの紙くず、お茶がら・弁当の食べ残し(生ゴミ) | 区の収集(処理券)または一般廃棄物の許可業者 |
| 産業廃棄物 | ペットボトル・プラ容器・ビニール、金属くず、ガラス・陶磁器など | 産業廃棄物の許可業者(区の収集対象外が原則) |
意外に思われますが、事業活動から出るプラスチック類は、量に関係なく法律上は産業廃棄物です。実務では、自治体や収集業者が資源回収・少量排出の運用でカバーしている部分もありますが、「オフィスのゴミ=全部可燃ゴミでOK」ではないという前提だけは押さえてください。ここから先は各自治体の運用に従います。
出口①:少量なら区の収集+有料処理券
東京23区では、排出量が少ない小規模事業者向けに、事業系有料ごみ処理券を貼って区の収集に出せる制度があります。当社の地元・品川区の実額はこうです。
| 券種 | 1セット | 1枚あたり |
|---|---|---|
| 10リットル券 | 870円(10枚) | 87円 |
| 20リットル券 | 1,740円(10枚) | 174円 |
| 45リットル券 | 3,910円(10枚) | 391円 |
| 70リットル券 | 3,045円(5枚) | 609円 |
- 感覚としては「45Lゴミ袋1つ=約400円」…週2袋出すオフィスなら月3,000円強。この規模までは処理券方式が最も手軽です
- 利用できるのは少量排出の事業者だけ…出せる量には上限があり(日量の目安が区ごとに定められています)、超える事業者は許可業者との契約が必要です。上限と対象は各区の案内で確認してください
- コンビニ等で購入し、袋に貼って集積所へ…家庭ゴミと同じ場所に出せるのは「処理券を貼っているから」です。貼らずに出すのは無銭乗車と同じ扱いになります
出口②③:業者契約と、ビルのゴミ庫
- 許可業者との収集契約…ゴミ量が増えてきたら、区の許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者と契約します。料金は地域・回数・量で変わり、小規模オフィスで月数千円〜が入り口です。必ず「区の許可業者か」を確認してください。無許可の回収業者への委託は、依頼した側も責任を問われます
- ビルのゴミ庫がある場合はルールが最優先…オフィスビルでは、ビル側が一括で業者契約し、テナントはゴミ庫に分別して出す方式が多数派です。費用が管理費に含まれているのか、従量で請求されるのかは賃貸借契約・管理規約で確認を。ルール外のゴミ(大型物・産廃)をゴミ庫に置くとビル全体の収集が止まり、テナント間トラブルの火種になります——管理側として一番困るのがこれです
- 退去・大掃除の大量ゴミは通常収集に出さない…什器・家電・大量の書類は通常の収集対象外です。パソコンは専用の無料回収、什器類は産廃・買取業者へ単発依頼が正解。移転の1ヶ月前から手配を始めてください
やってはいけないこと(罰則があります)
- 家庭ゴミの集積所に処理券なしで出す…廃棄物処理法違反です。自治体の調査で事業所由来と特定されると指導・警告の対象になり、悪質な不法投棄は重い罰則(懲役・高額の罰金)の対象です
- 自宅兼事務所だからと全部家庭ゴミにする…事業由来の分は事業系です。実務上は常識的な範囲の運用になりますが、事業で大量に出る梱包材・書類を家庭ゴミに混ぜるのはアウトと考えてください
- 機密書類をそのまま出す…契約書・顧客リストは、シュレッダーにかけるか、溶解処理サービス(箱ごと未開封で溶かす方式)へ。ゴミ袋から情報が漏れる事故は現実にあります
よくある質問
Q事業系ごみの処理券は全国どこでもありますか
処理券方式は東京23区などで整備されている制度で、自治体によって仕組みも料金も異なります。「(市区町村名) 事業系ごみ」で自治体の公式案内を確認するのが確実です。この記事の価格は品川区の2026年7月時点のものです。
Q段ボールや古紙はどう出せばいいですか
事業系でも、古紙は資源として無料または安価に回収するルートが多くあります。ビルの資源回収、古紙回収業者との契約、区の資源回収(事業者向け)など、燃えるゴミに混ぜるより安く済むのが通常です。量が多いオフィスほど分別で処理費が下がります。
Q産業廃棄物を業者に頼むときの注意はありますか
産業廃棄物の委託には、都道府県の許可を持つ業者との書面契約と、マニフェスト(産業廃棄物管理票)による追跡が必要です。「トラックで巡回している無料回収」に渡すのは、不法投棄に加担するリスクがあり、排出事業者であるあなたの責任も問われます。
Qゴミの量が読めない創業期はどうすればいいですか
まず処理券方式で始めて、毎週の枚数が安定してきたら業者契約と比較するのが無駄のない順番です。処理券は在庫しておけるので、量が変動する時期に向いています。
まとめ
① オフィスのゴミは量に関係なく事業系。家庭ゴミの集積所に無料で出すのは違法。
② 少量なら区の収集+有料処理券(品川区45L券391円/枚)。週2袋で月3,000円強の世界。
③ 量が増えたら区の許可業者と契約。ビル入居ならゴミ庫ルールが最優先。
④ プラ類は法律上は産廃という盲点。機密書類は溶解処理へ。退去の大量ゴミは1ヶ月前から手配。
この記事は2026年7月27日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。