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経理・税務 法人のダイレクト納付は、 届出が書面・使えるまで1か月 手数料ゼロ・期日指定・自動ダイレクト。当社の納税29回は全部ペイジーだった 届出書の提出から使えるまで(法人・書面) 約1か月 銀行別の目安は14〜30営業日。地方税は別に登録

ダイレクト納付は、e-Taxで申告したあと会社の口座から国税を引き落とす手続き。法人の届出は書面だけで、使えるまで約1か月かかります

結論

ダイレクト納付は、e-Taxで申告データを送ったあと、会社名義の預貯金口座から国税を口座引落しで納める手続きです。手数料はかからず、納付日を納期限まで指定でき、2024年4月からは申告データの送信画面でチェックを入れるだけで法定納期限に自動で引き落とす「自動ダイレクト」が使えます。

ただし法人の届出は書面だけで、銀行の届出印を押した届出書を税務署に出してから使えるまで1か月程度かかります(三菱UFJ銀行・GMOあおぞらネット銀行は20営業日程度、三井住友銀行・りそな銀行・ゆうちょ銀行は30営業日程度)。当社の1年間の納税は29回で全部ペイジーでした。届出は一度きりなので、決算の2か月前に出しておくのが現実的です。社員の住民税や法人都民税はeLTAXの共通納税で別に口座登録します。

ダイレクト納付とは何か

ダイレクト納付は、e-Taxで申告書や徴収高計算書を送ったあと、会社名義の預貯金口座から国税を口座引落しで納める手続きです。引落しは「今すぐ」でも「指定した日」でもよく、振替のための手数料はかかりません(国税庁「ダイレクト納付の手続」)。

似た名前の「振替納税」は個人の所得税・消費税だけの制度で、法人には関係ありません。法人が銀行の窓口に行かずに国税を払う方法は、実質的にダイレクト納付か、ペイジー(インターネットバンキング)か、クレジットカードかの3つです。

法人が国税を払う方法の比較(国税庁の案内から整理)
方法事前の届出手数料納付日の指定領収証書向いている会社
ダイレクト納付要る。法人は書面で税務署へ、使えるまで約1か月不要できる(納期限まで)。自動ダイレクトなら法定納期限に自動引落し出ない(e-Taxに完了通知)e-Taxで申告している会社全部
ペイジー(インターネットバンキング)不要。e-Taxの受信通知にある納付区分番号を銀行の画面に入力金融機関による(多くは無料)できない(払ったときに引落し)出ない届出をしたくない会社。ネット銀行がダイレクト納付に対応していない会社
クレジットカード納付不要納付額に応じた決済手数料できない(カードの引落日は先になる)出ないポイントと資金繰りを優先する会社
金融機関・税務署の窓口不要不要できない出る領収証書が必要なとき

使える税目は「全ての税目」で、法人税・地方法人税・消費税・源泉所得税はもちろん、延滞税や加算税も対象です。ただし送信するデータの種類によっては使えないものがあり、それは自動ダイレクトの対象一覧(後述)で確認できます。税理士に代わりに納付手続をしてもらうこともでき、その場合は事前に納税用確認番号などの登録が要ります。

当社の1年間の納税は29回。全部ペイジーで払っていた

当社(従業員3人の不動産会社)が2025年10月から2026年9月までの1年間に払った税金・保険料を、会計ソフトに取り込んだ銀行明細からそのまま数えました。29回。うちダイレクト納付は0回で、全部インターネットバンキングのペイジーです。

当社の1年間の納付(会計ソフトの明細・2025年10月〜2026年9月)
納付日何の税金か金額払った口座方法
2025年11月5日消費税(決算の確定分)948,200円GMOあおぞらネット銀行ペイジー
2025年11月19日法人税等(決算分)70,000円三菱UFJ銀行インターネットバンキング
2025年12月18日源泉所得税(納期の特例)76,190円三菱UFJ銀行インターネットバンキング
2026年5月14日消費税(中間納付)985,100円GMOあおぞらネット銀行ペイジー
2026年5月29日自動車税25,000円三菱UFJ銀行ペイジー
2026年6月25日労働保険料83,110円GMOあおぞらネット銀行ペイジー
2026年6月27日源泉所得税(納期の特例)148,141円GMOあおぞらネット銀行ペイジー
毎月(年22回)住民税の特別徴収(社員2人分)16,800円+19,800円三菱UFJ銀行インターネットバンキング

困っていたわけではありません。ペイジーは届出なしで使えて、手数料もかかっていません。それでも並べてみると、1回ごとに「e-Taxの受信通知を開く→収納機関番号・納付番号・確認番号を控える→銀行にログインして入力→承認」をやっています。年に29回、2つの銀行で。しかも消費税の中間納付985,100円は納期限の5月末より2週間以上前に払っています。期日を指定できないので、忘れないうちに払うしかないからです。

ダイレクト納付に切り替えると、この作業は「e-Taxの画面で納付日を選んでクリック」に変わり、消費税の中間納付は申告データの送信と同時に法定納期限の引落しを予約できます(自動ダイレクト)。住民税の特別徴収は国税ではないので、こちらはeLTAXのダイレクト納付(この記事の後半)です。

当社の口座はどちらも法人でダイレクト納付が使えます(三菱UFJ銀行=届出から20日程度、GMOあおぞらネット銀行=20日程度。いずれも営業日)。使えるのに使っていなかった、というのが正直なところです。以下は、その届出を実際にやるつもりで国税庁・地方税共同機構の一次資料を読み込んだ整理です。

法人の届出は書面のみ。使えるまで約1か月

個人はダイレクト納付の届出をオンラインで出せますが、法人は今も書面だけです(国税庁の一覧に「ダイレクト納付届出書のオンライン提出は、個人の方のみ」と明記)。手順は4つです。

  1. e-Taxの利用開始手続すでにe-Taxで申告や源泉の納付書を送っている会社は済んでいます。利用者識別番号があればこの手順は不要
  2. 納税用確認番号とカナ名称の登録e-Taxにログインして「納税用確認番号及び納税者用カナ氏名・名称登録」をする(必須)。メールアドレスの登録も推奨。ダイレクト納付を使う日までに済ませる
  3. 「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を書面で税務署へ使いたい日のおおむね1か月前までに、納税地を所轄する税務署に提出。銀行の届出印を押す。郵送でよい
  4. e-Taxのメッセージボックスに「ダイレクト納付預貯金口座登録完了通知」が届く税務署と金融機関の登録が終わると格納される。これが届くまでは納付に使えない

3の届出書は記載要領つきの様式(PDF)が国税庁にあります。書く欄は多くありませんが、記載要領が赤字で注意している点が5つあります。

いつ出すか。決算の納付に間に合わせるなら2か月前

国税庁は「利用日のおおむね1か月前まで」としていますが、銀行別の目安は営業日で14〜30日(次の表)で、書類の不備があれば戻ってきます。9月決算の会社が11月末の法人税・消費税の納付に使いたいなら、9月中に出しておくのが安全です。間に合わなくても、その回はペイジーで払えば済みます。届出を出したこと自体で何かが止まることはありません。

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ダイレクト納付は「e-Taxで申告データを送る」ところまでが前提です。決算書から申告書、e-Tax送信までを会計ソフトで済ませておけば、あとは自動ダイレクトにチェックを入れるだけで納付まで終わります。無料で試せます。

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銀行別:届出から使えるまでの日数と、法人が使える口座

日数は銀行によって違います。国税庁の利用可能金融機関一覧(銀行)地方税共同機構の共通納税対応金融機関一覧(銀行)から、1〜10人の会社が使いそうな銀行を抜き出しました。国税の日数は書面で届け出た場合(法人はこれしかない)で、土日祝を除いた営業日です。

主な銀行のダイレクト納付(国税庁一覧・eLTAX一覧 2026年8月3日時点から抜粋)
銀行国税:届出から利用開始まで国税:使える口座国税:個人事業用口座地方税(eLTAX):届出から利用開始まで
みずほ銀行20日程度普通・当座・納税準備×20日程度
三菱UFJ銀行20日程度普通・当座×30日程度
三井住友銀行30日程度普通・当座20日程度
りそな銀行30日程度普通・当座・納税準備30日程度
ゆうちょ銀行30日程度総合口座・振替口座(上限99,999,999円)個人・法人とも可30日程度
GMOあおぞらネット銀行20日程度普通30日程度
金融機関コード0038のネット銀行(国税庁一覧では「ドコモSMTBネット銀行」、eLTAX一覧では「住信SBIネット銀行」の名で掲載)14日程度普通・当座・納税準備20日程度
PayPay銀行・楽天銀行国税庁の一覧に載っていない(使えない)インターネットバンキングのみ。ダイレクト納付は不可

表の読み方を3つ。まず、同じ銀行でも国税と地方税で日数が違います。三菱UFJ銀行は国税20日・地方税30日、三井住友銀行はその逆です。次に、国税庁は「農業協同組合・漁業協同組合と、一部を除くインターネット専業銀行は現在ダイレクト納付を利用できない」としています。GMOあおぞらネット銀行とコード0038の銀行は例外で法人も使え、PayPay銀行と楽天銀行は使えません。最後に、みずほ銀行と三菱UFJ銀行は「個人事業用口座」に×がついています。個人事業主で屋号つきの口座を使っている人は、この2行では登録できません。

個人がオンラインで届け出た場合は3〜5日程度で、国税庁の案内では1週間程度です。法人にこの道がないのは不便ですが、届出は一度きりです。同じ銀行に複数の口座を登録することもでき(表の各行とも可)、納付のたびに画面でどの口座から引き落とすかを選べます。

使い方:即時・期日指定・自動ダイレクト・予納

登録完了通知が届いたあとの納付には4つの形があります。国税庁のダイレクト納付手続マニュアル(令和6年7月)と同ページの案内から整理します。

ダイレクト納付の4つの形
いつ引き落とされるか操作向いている場面
今すぐ納付手続きの直後申告データ送信後の受信通知「納付区分番号通知」を開き、「今すぐに納付される方」を選ぶ源泉所得税など少額で日常的なもの
納付日を指定指定した日(納期限まで)同じ画面で「納付日を指定される方」を選び、口座と日付を入れる。納期限当日に申告データを送った場合は指定できない消費税の中間納付など、期限ぎりぎりまで資金を置いておきたいもの
自動ダイレクト(2024年4月〜)各手続の法定納期限。法定納期限当日に手続きしたときは翌取引日申告データを送信する画面で「自動ダイレクトを利用する」にチェックを入れるだけ。納付の操作そのものが不要法人税・消費税の確定申告・中間申告、源泉の徴収高計算書(一般分・納期特例分)
予納課税期間中に自分で登録した複数の日e-Taxソフト(WEB版)の「予納の申出」から、税目・課税期間・予納日・金額・口座を登録決算で大きな納付が見込まれるとき、毎月少しずつ積んでおく

自動ダイレクトの条件と、納税額の上限

自動ダイレクトは、2024年4月1日以後に法定納期限が来る申告手続を、法定納期限内に送信する場合に使えます。対象は国税庁の一覧で47手続。法人の確定申告・予定申告、消費税の確定・中間申告(一般・簡易課税とも)、給与所得等の徴収高計算書(一般分と納期特例分の両方)、報酬・料金等の徴収高計算書などが入っています。対象外は「納付情報登録依頼」「予納申出」「清算事業年度の予納申告」など9手続です。

法定納期限当日に自動ダイレクトの手続きをする場合の納税額の上限(国税庁)
手続きをする日納税額の上限
2024年4月1日〜2026年3月31日1,000万円以下
2026年4月1日〜2028年3月31日3,000万円以下
2028年4月1日以降1億円以下

上限は「法定納期限の当日に手続きをした場合」の話で、前日までに送っていれば関係ありません。1〜10人の会社で3,000万円を超える納付はまずないので、実務上は納期限当日でも自動ダイレクトが使えると考えてよい金額です。

地方税はeLTAX(共通納税)で別に登録する

法人都民税・法人事業税や、社員の住民税(特別徴収)は国税ではないので、e-Taxのダイレクト納付では払えません。地方税のほうはeLTAXの共通納税で、こちらにも「ダイレクト納付」があります。仕組みは似ていますが、届出は別で、出す先は税務署ではなく銀行です。

国税と地方税のダイレクト納付の違い
項目国税(e-Tax)地方税(eLTAX共通納税)
届出の出し方届出書を書面で税務署へ(法人)PCdeskで口座を仮登録し、印刷した「地方税ダイレクト納付口座振替依頼書」を金融機関へ郵送
使えるまで1か月程度(銀行別に14〜30営業日)金融機関の審査次第。最大1か月程度(銀行別に20〜30日)
仮登録の期限仮登録のまま60日で警告、120日で口座情報が削除される
対象全税目法人都道府県民税・法人事業税・特別法人事業税・法人市町村民税・事業所税・個人住民税(特別徴収)など
納付日の指定できるできる(「納付日を指定して納付を行う」)
複数の自治体1税目を複数の自治体へまとめて納付できる(まとめ納付)
手数料不要不要(インターネットバンキング・ATMは金融機関による。クレジットカードはシステム利用料)
利用時間24時間(メンテナンス除く)+銀行の稼働時間24時間(メンテナンス除く)+銀行の稼働時間
領収証書出ない出ない。納付済みの確認メッセージと納付履歴を画面で見る

1〜10人の会社で一番回数が多いのは、社員の住民税の特別徴収です。当社は年22回払っていました。eLTAXでは、自治体からの特別徴収税額通知を電子データで受け取っていれば、その通知と連動して納付情報を作れます。通知を紙で受け取っている場合は、納付先の自治体・税目・金額を自分で入力して納付情報を作ります(納付額を入力して納付する方法)。どちらもダイレクト納付で期日指定ができるので、毎月10日に引き落とす予約を月初に入れておく形にできます。

eLTAXのよくある質問に「口座登録の仮登録からステータスが進まない」という項目があります。答えは「依頼書を郵送していないか、金融機関の審査中」です。PCdeskで仮登録しただけでは依頼書は銀行に届きません。印刷して郵送するところまでが手続きです。

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この記事の「当社の納税29回」は、会計ソフトに取り込んだ銀行明細をそのまま数えたものです。納付日・金額・どの口座から払ったかが1画面で追えると、ダイレクト納付に切り替えたあとの残高確認も楽になります。

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1〜10人の会社で詰まるところ

よくある質問

Qペイジーで払えているなら、ダイレクト納付にする意味はありますか

納付の手間と期日の管理が変わります。ペイジーは納付のたびにe-Taxの受信通知から納付区分番号を控えて銀行の画面に入力しますが、ダイレクト納付はe-Taxの画面で口座と日付を選ぶだけです。自動ダイレクトなら申告データの送信と同時に法定納期限の引落しが予約され、納付の操作自体がなくなります。税理士に納付まで任せることもできます。手数料はどちらもかかりません。

Q届出してから何日で使えますか

法人は書面で届け出て1か月程度です。国税庁の一覧では銀行別に、みずほ・三菱UFJ・GMOあおぞらが20営業日程度、三井住友・りそな・ゆうちょが30営業日程度、金融機関コード0038のネット銀行が14営業日程度とされています。個人がオンラインで届け出た場合は3〜5日程度(案内では1週間程度)です。使えるようになるとe-Taxのメッセージボックスに「ダイレクト納付預貯金口座登録完了通知」が入ります。

Q指定した日に残高が足りなかったらどうなりますか

引き落とされず、e-Taxのメッセージボックスに「ダイレクト納付エラー通知」が入ります。法定納期限を過ぎていれば、その翌日から実際に納付した日まで延滞税がかかることがあります。気づいたらすぐに、受信通知からもう一度ダイレクト納付(今すぐ納付)をするか、ペイジーで払ってください。予納だけは引き落とせなくても延滞税はかかりません。

Q地方税(法人都民税や社員の住民税)も同じ届出で払えますか

払えません。地方税はeLTAXの共通納税で、別にダイレクト納付の口座登録をします。PCdeskで口座を仮登録し、印刷した「地方税ダイレクト納付口座振替依頼書」を金融機関に郵送して、金融機関の審査(最大1か月程度)を待ちます。仮登録のまま60日で警告、120日で削除されるので、仮登録したら依頼書を忘れずに送ってください。

Q領収証書は出ますか

出ません。国税・地方税ともダイレクト納付では領収証書は発行されず、e-Taxの「ダイレクト納付完了通知」やeLTAXの納付履歴が納付の記録になります。融資や許認可で納税の証明が必要なときは納税証明書を取ります。領収証書そのものが必要な回だけ、金融機関の窓口で納付する方法もあります。

まとめ

この記事の要点
  • ダイレクト納付=e-Taxで申告後、会社名義の口座から国税を口座引落し。手数料なし、全税目が対象、領収証書は出ない
  • 法人の届出は書面のみ。銀行の届出印を押した「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼届出書」を納税地の税務署へ。使えるまで1か月程度(銀行別に14〜30営業日)
  • 納付日は納期限まで指定できる。自動ダイレクト(2024年4月〜)は送信時のチェックだけで法定納期限に引落し。納期限当日の手続きは3,000万円以下(2026年4月〜2028年3月)
  • みずほ・三菱UFJは個人事業用口座が不可。GMOあおぞらとコード0038のネット銀行は法人も可、PayPay銀行・楽天銀行は不可
  • 残高不足はエラー通知+延滞税の可能性。引落日前日に残高確認。予納は引落し不能でも延滞税なし
  • 地方税はeLTAXの共通納税で別に口座登録(仮登録+依頼書を銀行へ郵送、審査最大1か月)。住民税の特別徴収も期日指定で払える

この記事は2026年9月22日時点の法令・公開情報に基づいています。制度は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。

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