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身元保証書の落とし穴 極度額なしは 無効です。 2020年4月の民法改正で個人の根保証に上限額が必須に 有効期間の上限 5年 定めがなければ3年。自動更新はできない

身元保証書。極度額を書いていないと契約全体が無効になります

結論

入社時に身元保証書をもらっている会社は多いですが、2020年4月1日以降に締結したもので極度額(上限額)の定めがないものは無効です。改正民法により、個人が保証人となる根保証契約では極度額を定めることが効力要件になりました。

身元保証書は「従業員が会社に損害を与えたときに保証人が賠償する」という契約なので、この規制の対象です。「一切の損害を賠償する」といった書き方では上限が特定できず無効になります。有効期間にも制限があり、定めがなければ3年、定めても最長5年。自動更新の条項も認められません。

極度額がないと無効

有効期間の制限

身元保証契約の期間(身元保証ニ関スル法律)
区分期間
期間の定めがない場合3年
期間を定めた場合最長5年(5年を超える定めは5年に短縮)
更新可能だが自動更新はできない(更新時に改めて締結)

実際に請求できる範囲

賃貸の連帯保証との違い

当社は賃貸の連帯保証で極度額の実務を毎日扱っている立場ですが、雇用の身元保証は性質が違います。賃貸は家賃という明確な債務があるのに対し、雇用は損害が不確定です。だからこそ極度額の設定が難しく、多くの会社が形骸化させたまま持っています。取るなら形式を整える、整えられないなら取らないという判断が必要です。

よくある質問

Q2020年3月以前に取った身元保証書は無効ですか

無効ではありません。締結時の法律に従って有効です。ただし更新すると新規契約として扱われ、極度額の定めが必要になります。

Q極度額はいくらに設定すればよいですか

法定の基準はありません。業務内容と想定される損害から判断します。高額すぎると保証人が見つからず、低すぎると意味がないため、実務では50万円〜200万円程度で設定する例が見られます。

Q身元保証書は必ず取らなければいけませんか

法律上の義務はありません。取るかどうかは会社の判断です。ただし取るなら極度額と期間の要件を満たす必要があり、形式を整えられないなら取らない選択もあります。

Q身元保証人に請求すれば全額回収できますか

難しいのが実情です。裁判所は使用者の監督上の過失などを考慮して責任を減額できるため、極度額まで認められるとは限りません。抑止力としての意味が主になります。

まとめ

この記事の要点

2020年4月から極度額の定めがない身元保証書は無効(改正民法465条の2)。
② 極度額は確定額で書く。「一切の損害」「給与の6か月分」では不可。
③ 有効期間は定めがなければ3年、定めても最長5年自動更新は不可
④ 会社には保証人への通知義務があり、怠ると請求が制限される。
⑤ 裁判所が責任を減額できるため、極度額まで回収できるとは限らない。

この記事は2026年7月31日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。

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