連帯保証人と保証会社は何が違うのか
連帯保証人は借主とほぼ同じ重さで支払い義務を負う人です。滞納家賃も原状回復費も、極度額の範囲で請求され得ます。
2020年4月施行の民法改正で、賃貸借の個人の連帯保証(根保証)には極度額(責任の上限額)を書面で定めることが必須になり、定めのない契約の個人根保証は無効になりました。この改正を境に、市場は保証会社利用へ大きく傾いています。
違いを一覧で
| 連帯保証人(個人) | 家賃保証会社 | |
|---|---|---|
| 誰が守られるか | どちらも大家(貸主) | |
| 費用 | 0円 | 初回 賃料の50〜100%+更新料 |
| 責任の範囲 | 極度額まで(書面で定めた上限) | 保証会社が立替→借主へ全額求償 |
| 頼む相手 | 親族が一般的。人間関係の負担 | 審査に通れば誰でも |
| 市場の主流 | 減少 | 主流(事実上必須の物件が多数) |
2020年民法改正で変わったこと
- 極度額の定めが必須に…個人が賃貸借の連帯保証人になる場合、「極度額◯円」と書面で定めなければ保証契約自体が無効
- 上限が見えるようになった…従来は事実上青天井だった責任に、上限が明示されるように。実務では家賃の12〜24ヶ月分程度の設定が多く見られます
- 結果として保証会社が主流に…大家側から見ると、極度額で上限が切られる個人保証より、保証会社のほうが確実になった
頼まれたら確認する3点
- 極度額はいくらか…あなたが最大でいくら請求され得るか、契約書のその数字がすべてです
- 何の保証か…家賃だけでなく、原状回復費・損害賠償も範囲に入るのが通常です(退去費用はこう決まる)
- 保証会社と併用か…保証会社が一次対応する契約なら、個人保証人に請求が来る場面は相対的に減ります
「保証会社+緊急連絡先」がいまの標準形
現在の賃貸実務では、連帯保証人なし・保証会社利用・緊急連絡先1名という組み合わせが標準になっています。緊急連絡先は保証人と違って支払い義務を負いません(緊急連絡先の記事)。高額帯の物件や一部の大家の意向で、保証会社と連帯保証人の両方を求めるケースが残っています。
よくある質問
Q連帯保証人と(普通の)保証人は違うのですか
違います。連帯保証人には催告の抗弁・検索の抗弁がなく、「まず借主に請求してくれ」と言えません。賃貸で求められるのはほぼ連帯保証人です。
Q親が高齢・年金でも連帯保証人になれますか
収入・年齢によっては保証能力を認められないことがあります。その場合は保証会社利用や、別の親族での調整になります。
Q連帯保証人をやめることはできますか
契約期間中に一方的に外れることは原則できません。更新のタイミングで、大家の同意のもと保証会社への切り替えを交渉するのが現実的な道です。
まとめ
① 連帯保証人は借主とほぼ同じ責任。範囲は極度額まで。
② 2020年改正で極度額の定めが必須に。ない個人根保証は無効。
③ 頼まれたら「極度額・範囲・保証会社併用か」の3点を確認。
④ いまの標準は保証会社+緊急連絡先。
この記事は2026年7月27日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。