古物商許可。中古品を仕入れて売るなら必要になります
古物商許可が必要になるのは、古物を買い取って売る場合です。中古品の売買を事業として行うなら、営業所の所在地を管轄する警察署を経由して公安委員会に申請します。
逆に不要なのは、①自分が使っていた物を売る ②無償でもらった物を売る ③海外で買い付けて国内で売る(輸入品の新品)といった場合です。「買い取る」という行為があるかどうかが分かれ目になります。手数料は19,000円、審査は40日程度。法人の場合は役員全員分の書類が必要です。
許可が必要な場合
| 行為 | 許可 |
|---|---|
| 中古品を買い取って売る | 必要 |
| 委託を受けて中古品を売る | 必要 |
| 中古品を買い取って修理・部品取りして売る | 必要 |
| 自分が使っていた物を売る | 不要 |
| 無償でもらった物を売る | 不要 |
| 自分が売った相手から買い戻す | 不要 |
- 古物は13品目に分類される…美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類です
- 申請時に主として取り扱う品目を選ぶ…複数の品目を扱う場合、主たるものを1つ選び、他も申請できます
- 一度でも使用された物は古物…未使用でも、使用のために取引された物は古物にあたります。新品を仕入れて売る場合は古物商許可は不要です
- ネット販売でも必要…実店舗の有無は関係ありません。フリマアプリで仕入れて転売する事業も対象です
- ホームページを使うなら届出が必要…URLを使用して取引する場合、申請時にURLを届け出ます。プロバイダからの資料など、URLの使用権原を疎明する書類が必要です
必要書類
| 書類 | 対象 |
|---|---|
| 許可申請書 | 法人名、営業所、取扱品目などを記載 |
| 定款の写し・登記事項証明書 | 目的欄に古物営業を行う旨の記載が望ましい |
| 住民票の写し | 役員全員および管理者(本籍地記載・マイナンバー記載なし) |
| 身分証明書 | 役員全員および管理者(本籍地の市区町村が発行) |
| 略歴書 | 役員全員および管理者(過去5年分) |
| 誓約書 | 役員全員および管理者 |
| URLの使用権原疎明資料 | ホームページで取引する場合 |
- 役員全員分が必要…監査役を含む全役員について、住民票、身分証明書、略歴書、誓約書を用意します。役員が多い会社ほど手間がかかります
- 身分証明書は運転免許証ではない…破産手続開始の決定を受けていないことなどを証明する書類で、本籍地の市区町村が発行します。郵送請求もできます
- 定款の目的に記載がなくても申請できる場合がある…ただし警察署によっては目的変更を求められます。事前に確認するのが確実です
- 管理者を営業所ごとに置く…営業所ごとに1名、業務を管理する者を選任します。他の営業所との兼任はできません
- 営業所の使用権原…賃貸の場合、使用承諾書や賃貸借契約書の写しを求められることがあります
申請の流れ
- 営業所を管轄する警察署に事前相談する…書類の細部が都道府県により異なるため、先に相談窓口で確認すると差し戻しが減ります
- 書類を集める…住民票、身分証明書は取得に時間がかかります。役員が遠方にいる場合はさらに日数を見込みます
- 申請して手数料19,000円を納付する…不許可になっても返還されません
- 審査を待つ…標準処理期間は40日程度です(土日祝を除く日数で定められている場合があります)
- 許可証を受け取る…警察署で交付されます
- 欠格事由に注意…一定の刑に処せられた者、暴力団員、住居の定まらない者、古物営業の許可を取り消されて5年を経過しない者などは許可を受けられません
- 役員1人でも欠格事由に該当すると不許可…法人の場合、役員全員が要件を満たす必要があります
- 行政書士に依頼する場合の相場…5万円前後が目安です。役員が多い場合や急ぐ場合に検討します
許可後の義務
- 標識の掲示…営業所の見やすい場所に古物商のプレート(標識)を掲示します。所定の様式があります
- 取引の記録(帳簿等)…一定金額以上の取引について、年月日、品目、数量、特徴、相手方の住所氏名職業年齢、確認方法を記録し、3年間保存します
- 本人確認義務…買い取る際、相手方の身元を確認します。運転免許証等の提示を受ける、非対面なら定められた方法によるなど、方法が細かく定められています
- 不正品の申告義務…盗品等の疑いがある物品を発見した場合、直ちに警察官に申告します
- 変更の届出…営業所の移転、役員の変更、取扱品目の変更などがあれば届け出ます。期限が定められているため、変更が生じたら速やかに手続きします
古物商許可は要件そのものは厳しくありませんが、法人だと役員全員分の書類を集める手間がかかります。住民票と身分証明書の取得に2週間、審査に40日を見込むと、申請を決めてから営業開始まで2か月程度は必要です。事業計画の中に組み込んでおくべき期間です。
よくある質問
Q自分が使っていた物を売るのに許可は必要ですか
不要です。古物商許可が必要なのは、買い取った物や委託を受けた物を売る場合です。自分が使用していた物を売るだけなら該当しません。
Q手数料と審査期間はどのくらいですか
申請手数料は19,000円で、不許可でも返還されません。標準処理期間は40日程度です。
Q法人の場合は誰の書類が必要ですか
役員全員および営業所ごとの管理者について、住民票、身分証明書、略歴書、誓約書が必要です。監査役も含まれます。
Qネットだけで販売する場合も許可は必要ですか
必要です。実店舗の有無は関係ありません。ホームページを使って取引する場合は、URLとその使用権原を疎明する資料の提出も求められます。
まとめ
① 買い取って売るなら許可が必要。自分が使った物・無償でもらった物を売るだけなら不要。
② 申請先は営業所を管轄する警察署(公安委員会)。手数料19,000円・審査約40日。
③ 法人は役員全員分の住民票・身分証明書・略歴書・誓約書が必要。
④ 身分証明書は本籍地の市区町村が発行するもの。運転免許証ではない。
⑤ 許可後は標識の掲示・帳簿の3年保存・本人確認・不正品の申告が義務。
この記事は2026年7月31日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。