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決算公告のほんとうのコスト 官報なら8万円、 自社サイトなら0円。 会社法440条3項=5年間の掲載で官報が不要になります 官報の決算公告(2枠) 81,765円 2025年4月1日改定・税込。自社サイトなら0円

決算公告。官報なら年81,765円、自社サイトなら0円です

結論

決算公告は、規模を問わずすべての株式会社に義務があります(会社法440条1項)。怠れば100万円以下の過料(同976条2号)。それでも実際に出している会社が少ないのは、官報に載せると中小企業でも1回81,765円(税込)かかるからです。

ただし逃げ道は法律の中にあります。会社法440条3項は、貸借対照表を電磁的方法で5年間継続して公衆の縦覧に供する措置をとれば、官報・日刊新聞紙での公告は不要と定めています。つまり自社サイトに載せれば0円。しかも法務省は、定款の公告方法が官報のままでも決算公告だけをホームページに掲載できると案内しています。定款変更も要りません。

何をいつまでに公告するのか

官報の実額(2025年4月改定)

官報の掲載料は枠単位です。決算公告に必要な枠数は、貸借対照表の行数で決まります。

官報公告の掲載料金(税込・2025年4月1日改定/官報販売所の公表料金を2026年7月30日に取得)
枠数行数・サイズ料金(税込)決算公告での目安
1枠20字×9行(2.9cm×6.1cm)40,882円決算公告には足りないことが多い
2枠20字×19行(5.8cm×6.1cm)81,765円資本金5億円未満・負債200億円未満で株式譲渡制限あり=中小企業の大半
3枠20字×29行(8.7cm×6.1cm)122,647円譲渡制限のない会社
4枠163,530円大会社(資本金5億円以上・負債200億円以上)

2025年4月1日に料金が改定されています。それ以前の金額が書かれた解説が残っているので、見積もりは官報販売所の現行料金表で確認してください。なお官報掲載は申込から掲載まで日数がかかるため、総会直後に動く必要があります。

毎年8万円強。これが従業員数人の会社にとって「義務だがやらない」の実質的な理由です。10年続ければ80万円で、そのために増える売上はゼロです。

0円で済ませる方法と、その要件

会社法440条3項は、次の措置をとれば1項・2項(官報・新聞での公告)を適用しないと定めています。

  1. 貸借対照表の内容である情報を、電磁的方法で公衆の縦覧に供する…実務上は自社ウェブサイトに掲載することです。PDFでもHTMLでも構いません
  2. 定時株主総会の終結後遅滞なく載せる…官報と同じタイミングの要件です
  3. 総会終結の日後5年を経過する日まで継続して置く…ここが最大の注意点で、1年で消してはいけません。5期分が同時に並ぶ状態になります
  4. 要旨ではなく貸借対照表そのものを載せる…要旨で足りるのは官報・日刊新聞紙の場合だけです

出していないとどうなるか

当サイトを運営している当社も、事業年度ごとの決算作業のなかで公告の扱いを整理しました。数万円の話ではありますが、毎年出ていく固定費を1つ減らせるかどうかという意味では、知っているかどうかがそのまま差になります。

よくある質問

Q自社サイトに載せる場合、要旨ではだめですか

だめです。要旨で足りるのは官報または日刊新聞紙に載せる場合(会社法440条2項)で、電磁的方法による措置では貸借対照表の内容そのものを掲載する必要があります。

Q5年間の途中でサイトをリニューアルしてURLが変わったら

掲載が継続していれば問題ありません。ただし旧URLで404になったまま気づかない状態は、縦覧に供している状態とは言えません。リニューアル時のチェック項目に入れておくのが安全です。

Q合同会社にも決算公告の義務はありますか

ありません。会社法440条は株式会社を対象にした規定で、合同会社には決算公告の義務がありません。設立費用の差とあわせて、合同会社を選ぶ理由の1つになります。

Q官報に載せる場合、申込から掲載まで何日かかりますか

官報販売所への申込から掲載まで日数を要します。原稿の内容確認もあるため、定時株主総会の日程が決まった時点で相談するのが実務的です。掲載日は空き状況にも左右されます。

まとめ

この記事の要点

① 決算公告は全ての株式会社の義務(会社法440条1項)。罰則は100万円以下の過料(976条2号)で、対象は取締役個人。
② 官報の実額は中小企業でも2枠81,765円(税込・2025年4月1日改定)。大会社は4枠163,530円。
会社法440条3項=自社サイトに貸借対照表を5年間継続掲載すれば官報は不要で0円。定款変更もURLの登記も要らない。
④ ただし自社サイトの場合は要旨ではなく貸借対照表そのもの。5年間続けられる前提で始める。
⑤ 合同会社には決算公告の義務がない。

この記事は2026年7月30日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。

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