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印紙の判断はここで決まる 建物の賃貸借は 非課税です。 課税されるのは土地の賃貸借。保証金の約定があると別 貼り忘れの過怠税 3倍 自主申出なら1.1倍。ただし損金にならない

契約書の収入印紙。建物の賃貸借契約書に印紙は要りません

結論

収入印紙が要るかどうかは、契約書のタイトルでは決まりません。印紙税法別表第一に並ぶ20種類の課税文書のどれに当たるかで決まります。だから「契約書」と書いてあっても非課税のものがあり、「覚書」でも課税されるものがあります。

不動産でいちばん誤解されているのがここです。建物の賃貸借契約書は課税文書ではありません(国税庁も「印紙税の課税対象となりません」と明示)。一方で土地の賃貸借契約書は第1号の2文書として課税。さらに建設協力金や保証金の返還約定がある建物賃貸借契約書は、第1号の3(消費貸借)として課税されるという例外まであります。私たちは賃貸の仲介・管理を本業としていて、貸主側・借主側の契約書を毎月扱います。その順序で整理します。

判断の順序は3ステップ

  1. その文書が課税文書に当たるか…印紙税法別表第一の第1号から第20号までのどれかに当てはまるかを見ます。当てはまらなければ、どんなに重要な契約書でも非課税です
  2. 記載された契約金額はいくらか…多くの号は金額により税額が変わります。金額の記載がない場合は原則200円という号もあります
  3. 非課税・不課税の規定に当たらないか…契約金額が1万円未満なら非課税になる号(第1号・第2号など)や、そもそも紙の文書が存在しない電子契約は課税されません

「業務委託契約書」「覚書」「注文請書」といった名前は判断材料になりません。中身が請負なら第2号、継続的取引の基本契約なら第7号です。逆に「契約書」という名前でも、委任契約や建物の賃貸借なら課税文書に当たりません。

不動産の契約書はどうなるか

不動産関連の契約書と印紙税(2026年7月30日時点・国税庁タックスアンサーの公表内容)
文書課税・非課税該当号
建物の賃貸借契約書非課税課税文書に当たらない
土地の賃貸借契約書課税第1号の2(土地の賃借権の設定)
建物賃貸借契約書のうち、建設協力金・保証金の返還約定があるもの課税第1号の3(消費貸借)
不動産の売買契約書課税第1号の1(不動産の譲渡)
領収書(売上代金)5万円以上で課税第17号

主な課税文書と税額

会社でよく作る課税文書(2026年7月30日時点・国税庁の公表内容)
文書税額の考え方
第1号不動産の譲渡、土地の賃借権の設定、消費貸借、運送契約金額により階段。1万円未満は非課税
第2号請負に関する契約書契約金額により階段。1万円未満は非課税
第7号継続的取引の基本となる契約書1通4,000円(金額に関係なく定額)
第17号売上代金の領収書5万円未満は非課税。以降は金額により階段

貼り忘れ・消印忘れの代償

私たちが実務で気をつけているのは、契約書のドラフトを受け取った段階で号を判定することです。締結後に「これは第1号の3だった」と気づくと、貼り直しではなく過怠税の話になります。判断に迷う条項があれば、締結前に所轄の税務署に確認するのが結局いちばん早いです。

よくある質問

Q契約書のコピーには印紙が必要ですか

単なる写しであれば不要です。ただし写しに署名押印をして、正本と同じ効力を持たせる形にすると課税文書になります。「原本1通+コピー」で節税する場合は、コピーに押印しないことが条件です。

Q印紙はどこで買えますか

郵便局と一部のコンビニ、法務局などで購入できます。コンビニは200円券のみ取り扱いという店舗も多いため、4,000円や高額の印紙が必要なら郵便局が確実です。

Q間違って高い印紙を貼ってしまいました

納税地の税務署で「印紙税過誤納確認申請書」を出せば還付を受けられます。契約書の原本を持参して確認を受ける手続きです。印紙自体を郵便局で払い戻すことはできません。

Q電子契約と紙の契約を混ぜても大丈夫ですか

問題ありません。紙で作成した分だけが課税対象です。同じ取引先でも、高額な印紙がかかる契約だけ電子にするという運用は現実に行われています。

まとめ

この記事の要点

① 印紙の要否は契約書の名前ではなく印紙税法別表第一の号で決まる。
建物の賃貸借契約書は非課税。土地の賃貸借は第1号の2で課税。
建設協力金・保証金の返還約定がある建物賃貸借は第1号の3で課税。条項の書き方で税額が変わる。
④ 第7号(継続的取引の基本契約)は1通4,000円の定額。契約期間3か月以内で更新の定めがなければ除外。
⑤ 貼り忘れは過怠税3倍(自主申出1.1倍)、消印忘れは額面と同額。いずれも損金にならない

この記事は2026年7月30日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。

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