賃貸住宅管理業の登録。管理戸数200戸以上で義務になります
賃貸住宅の管理を業として行う事業者のうち、管理戸数が200戸以上の者は、国土交通大臣の登録を受けなければなりません(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)。登録の有効期間は5年で、更新が必要です。
登録業者には5つの義務があります。①業務管理者の配置 ②管理受託契約締結前の重要事項説明 ③契約締結時の書面交付 ④財産の分別管理 ⑤委託者への定期報告。200戸未満でも任意で登録でき、登録すればこれらの義務が課されます。
登録の要否
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録義務 | 管理戸数200戸以上 |
| 有効期間 | 5年(更新が必要) |
| 登録先 | 国土交通大臣 |
| 任意登録 | 200戸未満でも登録できる(登録すれば義務が課される) |
| 登録免許税 | 新規登録時9万円 |
- 「管理業務」の定義…委託を受けて行う賃貸住宅の維持保全(点検・清掃・修繕等)、またはこれと併せて行う家賃等の金銭管理です
- 維持保全を行わない場合は該当しない…入居者の募集や契約の締結だけを行う場合、管理業務にはあたりません
- 戸数の数え方…賃貸住宅の管理戸数で判定します。サブリースの場合、転貸している戸数も含みます
- 無登録営業には罰則…登録を受けずに管理業を営んだ場合、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはこれらの併科です
- サブリース規制とは別…特定転貸事業者に対する規制(誇大広告等の禁止など)は、登録の有無を問わず適用されます
業務管理者
- 営業所または事務所ごとに1名以上…管理業務の適正な実施を確保するため、事務所ごとに配置します
- 資格要件…賃貸不動産経営管理士(一定の講習を修了した者)または、宅地建物取引士で管理業務に関し2年以上の実務経験を有し所定の講習を修了した者などです
- 他の事務所との兼務は不可…業務管理者は他の営業所・事務所の業務管理者を兼ねることができません
- 欠けた場合は業務を行えない…業務管理者が不在となった営業所等では、管理受託契約を締結してはならないとされています
- 業務管理者の職務…重要事項の説明、契約書面の交付、財産の分別管理、秘密の保持、入居者からの苦情処理などに関し、管理と監督を行います
5つの義務
- 管理受託契約締結前の重要事項説明…オーナーに対し、管理業務の内容・実施方法、報酬、契約期間、契約解除に関する事項などを書面で説明します。契約締結の1週間程度前までに行うことが望ましいとされています
- 契約締結時の書面交付…契約成立後、遅滞なく書面を交付します
- 財産の分別管理…家賃、敷金等について、自己の固有財産および他の管理受託契約に基づく財産と分別して管理します。口座を分け、帳簿上も区別します
- 委託者への定期報告…管理業務の実施状況等について、定期的にオーナーに報告します。管理受託契約の締結日から1年を超えない期間ごと、および契約終了時が基準です
- 再委託の制限…管理業務の全部を他者に再委託することは禁止されています
- 分別管理は口座を分ける…家賃等を管理する口座と自社の固有財産の口座を分けます。同一口座での管理は認められません
- 報告事項…報告対象期間、管理業務の実施状況、入居者からの苦情の発生状況と対応などです
- 帳簿の備付け…営業所等ごとに業務に関する帳簿を備え、各事業年度の末日をもって閉鎖し、閉鎖後5年間保存します
- 標識の掲示…営業所等ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げます
- 従業者証明書…業務に従事する者に証明書を携帯させます
登録の手続き
- 賃貸住宅管理業登録等電子申請システムで申請する…オンラインで申請します
- 登録免許税を納付する…新規登録は9万円です
- 登録拒否事由に該当しないこと…破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、一定の刑に処せられた者、財産的基礎を有しない者などは登録を受けられません
- 財産的基礎の要件…負債の合計額が資産の合計額を超えないことなどが求められます。債務超過では登録できません
- 5年ごとに更新する…有効期間満了の日の90日前から30日前までに更新申請をします。更新申請を忘れると失効します
- 変更の届出…商号、営業所の所在地、役員、業務管理者などに変更があれば30日以内に届け出ます
- 事業年度終了後の届出…毎事業年度終了後3か月以内に、業務状況調書、貸借対照表、損益計算書などを提出します
- 登録の取消し…不正の手段で登録を受けた場合や、業務停止命令に違反した場合などは登録が取り消されます
- 当社の立場…賃貸の管理を行う立場として、200戸という基準は事業規模の節目になります。登録すれば分別管理と定期報告が義務になりますが、これらはオーナーの信頼を得るために本来行うべき業務でもあります。200戸未満でも運用として取り入れる価値があります
賃貸住宅管理業の登録は、200戸という数字で義務の有無が決まります。ただし登録の有無にかかわらず、家賃の分別管理と定期報告は管理会社として当然に求められる実務です。オーナーが管理会社を選ぶ際、登録業者かどうかは判断材料の一つになります。
よくある質問
Q何戸から登録が必要ですか
管理戸数200戸以上です。200戸未満でも任意で登録できますが、登録すれば登録業者としての義務が課されます。
Q管理業務とは何を指しますか
委託を受けて行う賃貸住宅の維持保全(点検・清掃・修繕等)、またはこれと併せて行う家賃等の金銭管理です。入居者の募集や契約締結だけでは該当しません。
Q業務管理者は誰がなれますか
賃貸不動産経営管理士で一定の講習を修了した者、または宅地建物取引士で管理業務に関し2年以上の実務経験があり所定の講習を修了した者などです。事務所ごとに1名以上の配置が必要です。
Q登録の有効期間はどのくらいですか
5年です。有効期間満了の日の90日前から30日前までに更新申請を行う必要があり、忘れると失効します。
まとめ
① 管理戸数200戸以上で登録義務。有効期間は5年で更新が必要。
② 事務所ごとに業務管理者を1名以上配置する。兼務は不可。
③ 義務は①重要事項説明 ②書面交付 ③財産の分別管理 ④定期報告 ⑤全部再委託の禁止。
④ 家賃等は自己の固有財産と口座を分けて管理する。
⑤ 無登録営業には1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金。
この記事は2026年7月31日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。