キャッシュレス決済の手数料比較。1%の差は月商100万円で年12万円
お店にキャッシュレス決済を入れるときの手数料は、Squareが対面2.5%(年間キャッシュレス決済額3,000万円未満・主要ブランドの場合)、Airペイが3.24%、STORES決済がスタンダードプランでクレジットカード1.98%〜——というのが2026年7月時点の公式実額です。
月商100万円がキャッシュレスなら、手数料1%の差は月1万円・年12万円。数字だけならSTORESとSquareの新料率が目立ちますが、実務では入金サイクル(資金繰り)・端末代・対応ブランド数まで含めて選ぶべきです。3社の実額表から、お店の状況別の正解まで整理します。
実額比較表:3社の公式データ
| Square | Airペイ | STORES決済 | |
|---|---|---|---|
| クレジットカード手数料 | 対面2.5%(年間3,000万円未満・主要ブランド)/それ以外3.25%〜 | 3.24% | 1.98%〜(スタンダードプラン) |
| 交通系電子マネー | 同上の水準 | 2.95%(税抜) | 1.98% |
| QRコード決済 | —(対応状況は公式で確認) | 0.99%〜3.24% | 3.24% |
| 月額固定費 | 0円(フリープラン) | 0円 | 0円〜 |
| 端末代 | リーダー4,980円 | 無償貸与 | 年間契約で1台無料 |
| 入金 | みずほ・三井住友は翌営業日・振込手数料Square負担 | 振込手数料0円(ゆうちょ除く全銀行) | 手動は最短翌々日・自動入金は手数料無料 |
| 特徴 | オンライン決済3.6%・請求書決済も一体 | 92種のブランド対応・リクルート系(Airレジ連携) | ネットショップ・予約・レジと同一ブランドで統一可 |
手数料差の実額:見過ごせない金額になる
| 月のキャッシュレス売上 | 1.98% | 2.5% | 3.24% |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 年11.9万円 | 年15万円 | 年19.4万円 |
| 100万円 | 年23.8万円 | 年30万円 | 年38.9万円 |
| 300万円 | 年71.3万円 | 年90万円 | 年116.6万円 |
手数料は「売上に必ずかかる固定率のコスト」なので、複合機のカウンター料金や社用携帯と同じく、率の小さな差が年単位で大きな差になります。ただし最安率には条件(プラン・年間契約・ブランド・決済額の上限)が付いているのが常なので、自分の売上規模で適用される率を必ず確認してください。
お店の状況別・選び方の整理
- 開業したばかり・初期費用ゼロで始めたい…端末が無償貸与のAirペイか、年間契約で端末無料のSTORESが入口として軽い。審査から利用開始までの日数も見込んで、開店の1ヶ月前には申し込みを
- 資金繰り最優先(仕入れが先行する業態)…Squareの翌営業日入金(みずほ・三井住友)は他にない強みです。飲食・小売のように日銭が要る業態では、手数料0.5%の差より入金の速さが効く場面が多い
- 手数料を1円でも下げたい・売上が安定している…STORESスタンダードプランの1.98%〜が最安水準。年間契約の条件と、自店の決済構成(クレカ比率・QR比率)で実効率を計算してから
- ネットショップや予約システムも同時に持ちたい…STORESはEC・予約・レジ・決済が同一ブランドで揃います。ネットショップの住所問題と合わせて開業一式を組む人に向いています
導入前チェックリスト
- 審査があります…業種・販売商材の確認があり、通常数日〜2週間程度。開店日に間に合わない申込が一番多い失敗です
- 自店の決済構成を想像する…客層的にクレカが多いのか、QRが多いのか、交通系か。率はブランド別に違うため、実効の手数料率は構成で決まります
- レシート・レジとの連携…既にレジアプリを使っているなら連携可否を先に確認。レジと決済を別々に入れると打ち間違いの温床になります
- 解約のしやすさ…月額0円の3社はやめるコストも低く、実は「まず1社入れて、合わなければ乗り換える」が現実的に可能な領域です。端末の返却条件だけ確認を
よくある質問
Q現金のみのお店ですが、導入する意味はありますか
客単価と客層によります。実感として、若い客層・観光客・単価3,000円以上の業態では「現金のみ」による機会損失が手数料を上回るケースが多い。逆に常連中心・低単価の業態では急ぐ必要はありません。月額0円なので「持っておいて損はない」のが現在の相場です。
Q手数料はお客様に転嫁できますか
クレジットカードの加盟店規約では、カード利用者への手数料上乗せ(サーチャージ)は原則禁止です。「カード払いは+3%」という運用は規約違反になるため、手数料は価格設定全体で吸収するのが正しい形です。
QPayPayを直接契約するのとどう違いますか
PayPay単体の直接契約は料率やキャンペーンが別体系です。マルチ決済端末(本記事の3社)はカード・電子マネー・QRをまとめて管理できるのが価値で、PayPayだけ直接契約して他をマルチ端末にする併用も可能です。管理の手間と率のバランスで決めてください。
Q入金までの間の売上はどうなりますか
決済事業者があなたの売上を預かっている状態です。入金サイクルが月1回のサービスだと、最大1ヶ月分の運転資金が寝ることになります。開業直後の資金計画では、この「入金までのラグ」を必ず織り込んでください。
まとめ
① 公式実額はSquare対面2.5%(条件付き)・Airペイ3.24%・STORES 1.98%〜。最安率には条件がある。
② 1%の差は月商100万円で年12万円。ただし率だけでなく入金サイクル・端末代・対応ブランドで選ぶ。
③ 状況別:初期ゼロ=Airペイ/STORES、資金繰り=Squareの翌営業日入金、最安=STORES年間契約。
④ 審査は数日〜2週間。開店1ヶ月前の申込と、レジ連携・解約条件の確認を忘れずに。
この記事は2026年7月27日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。