安全運転管理者。白ナンバーでも5台以上、または定員11人以上1台で必要です
「安全運転管理者」は運送業だけの話ではありません。自家用自動車(白ナンバー)を5台以上使用する事業所、または乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用する事業所には、選任義務があります。自動二輪車(原付を除く)は0.5台として計算します。
そして2022年4月から酒気帯びの有無の確認と記録が、2023年12月1日からはアルコール検知器を用いた確認が義務化されました。記録は1年間保存します。営業車を数台持っている会社は、自社が該当するかを確認する必要があります。
選任が必要な事業所
| 区分 | 基準 |
|---|---|
| 安全運転管理者 | 自家用自動車5台以上、または乗車定員11人以上を1台以上 |
| 副安全運転管理者 | 20台以上で1人、以後20台ごとに1人追加 |
| 台数の数え方 | 自動二輪車(原付を除く)は0.5台として計算 |
- 事業所ごとに判定する…会社全体ではなく、自動車の使用の本拠(事業所)ごとに台数を数えます
- リース車も含む…所有か賃借かを問わず、使用している自動車が対象です
- 社員の私有車を業務に使う場合…事業所が使用していると評価されれば台数に含まれることがあります。マイカー通勤ではなく業務使用の実態で判断されます
- 安全運転管理者の要件…20歳以上(副安全運転管理者を置く場合は30歳以上)で、自動車の運転の管理に関し2年以上の実務経験があることなどが必要です
- 欠格要件がある…一定の違反行為をして2年を経過していない者などは選任できません
安全運転管理者の業務
- 運転者の適性等の把握…運転者の適性、技能、知識、法令の遵守状況を把握します
- 運行計画の作成…長距離運転や夜間運転となる場合に、安全な運行の計画を作成します
- 交替運転者の配置…長距離・夜間の運転で疲労等により安全な運転を継続できないおそれがあるとき、交替要員を配置します
- 異常気象時等の措置…異常気象、天災その他の理由により安全な運転の確保に支障が生じるおそれがあるとき、必要な指示等を行います
- 点呼と酒気帯びの確認…運転前後に点呼を行い、アルコール検知器を用いて酒気帯びの有無を確認します
- 運転日誌の記録…運転者名、運転の開始・終了日時、走行距離などを記録する日誌を備え付け、記録させます
- 安全運転指導…運転者に対する安全運転の指導を行います
- 運転日誌は法定の記録…備付けと記録が業務として定められています。様式は定められていないため、必要事項が記載できれば自作でも構いません
- 法定講習がある…安全運転管理者と副安全運転管理者は、公安委員会が行う講習を受講します(年1回程度)
- 資格者証の交付はない…選任届を提出して受理されることで職務に就きます
アルコールチェック
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2022年4月1日〜 | 目視等による酒気帯びの確認と記録(1年間保存) |
| 2023年12月1日〜 | アルコール検知器を用いた確認が義務 |
- 運転前と運転後の両方で確認する…業務の開始前と終了後に行います
- 対面が原則…直接対面して確認するのが原則ですが、直行直帰など対面できない場合は、カメラや電話等で運転者の顔色・応答の声の調子等を確認し、携行させた検知器で測定させる方法が認められています
- 検知器は「常時有効に保持」する…正常に作動し、故障がない状態で保持します。定期的な動作確認が必要です
- 記録の保存は1年間…確認者名、運転者名、自動車の登録番号、確認の日時、確認方法、酒気帯びの有無、指示事項などを記録します
- 特定の機種の指定はない…呼気中のアルコールを検知し、その有無または濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能があるものであれば足ります
- 安全運転管理者が不在の場合…副安全運転管理者または安全運転管理者の業務を補助する者が確認を行うことができます
届出と罰則
- 選任したら15日以内に届け出る…事業所の所在地を管轄する警察署を経由して公安委員会に届け出ます
- 解任時も届出が必要…同様に15日以内です
- 選任義務違反には罰則…安全運転管理者を選任しない場合、50万円以下の罰金が定められています(2022年10月の改正で引き上げ)
- 届出義務違反にも罰則…届出を怠った場合の罰則も定められています
- アルコールチェック自体に直接の罰則はない…ただし公安委員会からの解任命令の対象となり得ます。飲酒運転を見逃せば、会社の責任が問われます
- 当社の視点…賃貸の案内で社用車を使う業態では、台数が5台に達するかどうかが分かれ目になります。5台未満でも、飲酒運転を防ぐ確認は行うべきですが、法的な選任義務と記録義務は台数で決まります
安全運転管理者は「うちは運送業ではないから関係ない」と思われがちですが、営業車が5台あれば対象です。アルコール検知器による確認と1年間の記録保存まで義務づけられているため、該当するなら運用の仕組みを作る必要があります。
よくある質問
Q何台から安全運転管理者が必要ですか
自家用自動車5台以上、または乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用する事業所です。自動二輪車(原付を除く)は0.5台として計算します。
Qアルコール検知器は必ず使わなければなりませんか
2023年12月1日から検知器を用いた確認が義務化されています。目視等だけでは要件を満たしません。
Q直行直帰の場合はどう確認しますか
カメラや電話等で運転者の顔色や応答の声の調子を確認し、携行させた検知器で測定させる方法が認められています。
Q記録はどのくらい保存しますか
1年間です。確認者名、運転者名、自動車の登録番号、確認の日時と方法、酒気帯びの有無などを記録します。
まとめ
① 白ナンバー5台以上、または定員11人以上を1台以上で選任義務。事業所ごとに判定。
② 選任・解任は15日以内に公安委員会へ届出。違反は50万円以下の罰金。
③ 2023年12月からアルコール検知器を用いた確認が義務。
④ 運転前後に確認し、記録を1年間保存する。
⑤ 検知器は常時有効に保持する。定期的な動作確認が必要。
この記事は2026年7月31日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。