社用携帯の料金相場。そして「番号を会社の資産にする」という本当の目的
社用携帯の料金は、キャリアの法人プラン公式価格が基準になります。実測した楽天モバイル法人プランは音声+3GBで月2,178円、無制限でも3,278円(税込)。つまり1台あたり月2,000円台が、高いか安いかを判断するモノサシです。
そしてもう1つ、料金より大事な話を先にします。私たち自身が社用携帯を運用する立場で言うと、社用携帯の本当の目的は「顧客との連絡先を、従業員個人ではなく会社の資産にする」ことです。個人スマホで顧客とやり取りさせていると、退職のとき連絡先ごと持っていかれます。月2,000円台はこのリスクの保険料と考えると判断が変わるはずです。
料金の基準:キャリア法人プランの実額
| プラン | 月額 | 補足 |
|---|---|---|
| 音声+データ 3GB | 2,178円 | 専用アプリ(Rakuten Link Office)利用で国内通話無料。アプリ外は22円/30秒 |
| 音声+データ 30GB | 3,058円 | |
| 音声+データ 無制限 | 3,278円 | |
| データ専用 3GB | 1,078円 | タブレット・ルーター用 |
大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の法人プランはおおむねこの水準からやや上で、代理店経由のキャンペーンで下がる構造です。外回りが少ない事務職は3GB、営業はかけ放題系+大容量——役割で分けると台あたり平均が下がります。
「月990円〜」広告の読み方:4つの条件を確認する
代理店の広告に並ぶ「月990円〜」のような表示は嘘ではありませんが、最安の1条件が揃ったときの金額です。複合機のときと同じで、見積もりは総額で読みます。
- 台数条件…「◯台以上の契約で」の割引が乗った金額か。1〜2台では適用されないことが多い
- 指定プランか…最小データ容量・特定プランに限った表示か。実際に使う容量のプランでいくらかを見積もらせる
- 端末代は別か…「0円スタート」系は端末代が月額に乗るか、リース扱いかを確認。月額×台数×24〜36ヶ月+端末代の総額で比較します
- オプションの初月無料…外して問題ないオプションが初月だけ付いて安く見えるパターン。翌月からの実額で比較を
台数がまとまるなら、代理店へ条件を出して相見積もりを取るのが実務の定石です。オンライン完結型と一括見積もりを置いておきます。
BYOD(私物+手当)と社用支給、どちらが得か
| BYOD(私物+通信手当) | 社用携帯の支給 | |
|---|---|---|
| 月あたりコスト | 手当2,000〜3,000円/人が通例 | 2,000円台/台+端末代 |
| 顧客の連絡先 | 従業員個人の番号に紐づく | 会社名義の番号に残る |
| 退職時 | 連絡先・LINEごと消える/持っていかれる | 端末と番号を回収し後任へ引き継げる |
| セキュリティ | 私物の紛失・アプリ管理に踏み込めない | MDMで一括管理・遠隔ロック可 |
| 経理処理 | 手当は給与扱い(課税)になりがち | 通信費として全額経費 |
金額はほぼ同じです。差が出るのは金額以外の列で、特に顧客接点が電話・SMS・LINEで動く業種(不動産・営業会社・士業・店舗)では、番号が会社にあること自体が資産です。私たちが社用携帯をやめない理由もここにあります。逆に、社内連絡が中心でSlackやメールで完結する職場なら、BYODで十分です。
台数別の現実的な買い方
- 1〜3台…キャリアのオンライン法人窓口で直接契約するのが手離れ良好。代理店割引は台数が少ないと効きにくい
- 5台以上…代理店に相見積もりを出す価値が出ます。台数割引・端末値引き・乗り換え(MNP)施策はこの規模から動きます
- 審査の準備…設立直後の法人は、登記簿謄本に加えて代表者の本人確認などが必要です。設立1年未満でも契約できる代理店は多いので、断られても複数社に当たってください
- 訪問営業には慎重に…「電話料金が安くなる」系の飛び込み営業から、不要なオプションや回線ごとの乗り換え契約になる事故は今でもあります。書面見積もりを取り、その場で契約しないのが原則です
よくある質問
Q個人事業主でも法人携帯は契約できますか
できます。開業届の控えや確定申告書で事業実態を示せば、個人事業主名義の事業用契約が可能です。私用と分けておくと経費処理も明瞭になります。
Qいま従業員が使っている個人番号を会社に引き継げますか
番号の名義を個人から法人へ変更する「譲渡承認」の手続きがキャリアにあります。従業員本人の同意と書類が必要です。既に顧客へ広まっている番号を会社資産に取り込める重要な手続きなので、社用携帯導入時に検討する価値があります。
Q解約金や縛りはありますか
現在は2年縛り・高額解約金は原則廃止されていますが、端末代の分割残債と、代理店独自のキャンペーン条件(最低利用期間)が残ることがあります。見積もり時に「途中でやめたら何を払うか」を必ず文面で確認してください。
Qかけ放題は付けるべきですか
発信が多い営業職には有効ですが、全員に付けると無駄が出ます。通話の多い数人だけかけ放題、他は従量やアプリ通話——と役割で分けるのが台あたり平均を下げるコツです。
まとめ
① 基準は1台月2,000円台(楽天法人・音声3GB 2,178円を実測)。高い安いはここから判断。
② 「990円〜」広告は台数・プラン・端末代・オプションの4条件を読み、総額で比較する。
③ BYODとのコスト差はほぼない。差が出るのは「顧客の連絡先が会社に残るか」——番号は会社の資産。
④ 1〜3台はキャリア直、5台以上は代理店相見積もり。訪問営業の即決だけは避ける。
この記事は2026年7月27日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。