省力化投資補助金。カタログから選ぶ型と、オーダーメイドの一般型があります
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に対応するための省力化投資を支援する制度です。2つの類型があります。
カタログ注文型=あらかじめ事務局に登録された製品カタログから選ぶ方式。販売事業者が申請手続きを共同で行うため、事業者側の負担が小さいのが特徴です。一般型=カタログにない設備やシステムを、個別の事業計画に基づいて導入する方式。オーダーメイドの省力化投資が対象になります。補助上限は従業員数の区分で変わり、賃上げによる引上げもあります。
2つの類型
| 項目 | カタログ注文型 | 一般型 |
|---|---|---|
| 対象 | 事務局に登録済みの製品 | 個別の設備・システム |
| 申請 | 販売事業者と共同で申請 | 事業者が事業計画を作成 |
| 特徴 | 製品が決まっているため手続きが簡便 | 自社に合わせた設計ができる |
| 補助上限 | 従業員数の区分による | 従業員数の区分による |
| 賃上げ | 一定の要件で上限引上げ | 一定の要件で上限引上げ |
- 共通するのは「省力化」という目的…人手不足の解消、労働生産性の向上が制度の趣旨です。単なる設備更新は対象になりません
- 従業員数で補助上限が変わる…規模が大きいほど上限が高く設定されています。自社の従業員数の区分を先に確認します
- 賃上げで上限が上がる…一定の賃上げを行う場合、補助上限が引き上げられる仕組みがあります
- 公募回ごとに要件が変わることがある…補助率・上限額・対象要件は公募回で見直されます。必ず該当する公募回の公募要領で確認してください
- GビズIDプライムが必要…他の補助金と同じく、申請にはアカウントの取得が前提です
カタログ注文型
- カタログから製品を選ぶ…事務局のサイトで、登録された省力化製品を検索します。製品カテゴリごとに登録要件が定められています
- 販売事業者に相談する…その製品を扱う登録販売事業者を選びます
- 販売事業者と共同で申請する…申請手続きは事業者と販売事業者が共同で行います。事業者だけで事業計画を書き上げる負担がありません
- 交付決定後に導入する…交付決定前に発注・契約すると対象外になります
- 効果報告を行う…導入後、労働生産性の向上について報告する義務があります
- カタログにない製品は選べない…登録されている製品の中から選ぶ方式です。使いたい機器が登録されていなければ一般型を検討します
- 製品カテゴリが限られる…券売機、清掃ロボット、配膳ロボット、自動倉庫など、業種横断で使える汎用製品が中心です
- 販売事業者の役割が大きい…申請の実務を担うため、販売事業者の対応力が手続きの進み方を左右します
- 手続きが簡便な分、自由度は低い…自社の業務に合わせたカスタマイズは想定されていません
一般型
- オーダーメイドの省力化投資が対象…カタログにない設備、自社の業務に合わせたシステム開発などが対象になります
- 事業計画の作成が必要…省力化の効果を定量的に示すことが求められます。労働生産性の向上率などを計画に盛り込みます
- 審査がある…事業計画の内容が審査されます。カタログ型より準備の負担が大きくなります
- 金額規模が大きい投資に向く…設備投資額が大きいケースで、補助上限の高さが効いてきます
- 認定支援機関の関与…公募回によっては、事業計画の作成にあたり認定経営革新等支援機関の確認が求められる場合があります
申請前に決めること
- 省力化の対象業務を特定する…どの業務に何時間かかっていて、導入後にどれだけ減るのか。ここが計画の核になります
- 従業員数の区分を確認する…補助上限が決まります
- 賃上げを行うかを判断する…上限引上げの要件を満たすかどうかで、申請できる額が変わります
- カタログを確認する…使いたい製品が登録されていればカタログ型、なければ一般型です
- 資金計画を立てる…補助金は後払いです。導入時点では全額を自己資金または借入で支払います
- 交付決定前の発注は対象外…すべての補助金に共通する原則です。「先に買って後から申請」はできません
- 効果報告の義務がある…導入後、一定期間にわたり労働生産性の向上について報告します。目標未達の場合、補助金の返還を求められることがあります
- 他の補助金との重複はできない…同一の設備について複数の補助金を受けることはできません
- 公募回ごとの締切を確認する…年に複数回の公募があります。準備期間を含めて逆算します
- 当社の視点…3名の不動産会社では、省力化の対象になるのは物件案内の準備、契約書類の作成、入居者対応といった事務作業です。カタログ型の製品は店舗・工場・倉庫向けが中心で、こうした業務に直接当たる製品は限られます。自社の業務に合うかどうかを、カタログを実際に見て判断するのが現実的です
省力化投資補助金は「人手不足への対応」が趣旨なので、単なる設備更新では通りません。どの業務が何時間減るのかを説明できることが前提です。カタログ型は販売事業者が手続きを担うため負担が小さく、まずカタログに自社の使いたい製品があるかを見るのが出発点になります。
よくある質問
Qカタログ注文型と一般型の違いは何ですか
カタログ注文型は事務局に登録済みの製品から選び、販売事業者と共同で申請します。一般型はカタログにない設備やシステムを個別の事業計画に基づいて導入する方式です。
Q補助上限はどう決まりますか
従業員数の区分によって変わります。加えて一定の賃上げを行う場合に上限が引き上げられる仕組みがあります。公募回ごとに見直されるため、該当回の公募要領で確認が必要です。
Q先に設備を買ってから申請できますか
できません。交付決定前に発注・契約したものは補助対象外になります。
Q導入後に何か義務はありますか
労働生産性の向上について効果報告を行う義務があります。目標が未達の場合、補助金の返還を求められることがあります。
まとめ
① カタログ注文型(登録製品から選び販売事業者と共同申請)と一般型(個別の事業計画)の2類型。
② 補助上限は従業員数の区分で決まり、賃上げで引上げがある。
③ 趣旨は人手不足への対応と労働生産性の向上。単なる設備更新は対象外。
④ 交付決定前の発注は対象外。補助金は後払い。
⑤ 導入後に効果報告の義務。未達だと返還を求められることがある。
この記事は2026年7月31日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。