小規模事業者持続化補助金。上限50万円ですが、特例で最大250万円です
小規模事業者持続化補助金の一般型・通常枠は、販路開拓の取組を支援する制度です。第20回公募の要領では補助率3分の2、補助上限50万円。
ただし上乗せがあります。インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方の要件を満たせば+200万円。つまり最大250万円まで伸びます。さらに賃金引上げ特例に申請する事業者のうち業績が赤字の事業者は補助率が3分の2から4分の3に上がります。まず自社が「小規模事業者」に当たるかの確認からです。
補助率と上限額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限 | 50万円 |
| インボイス特例 | 50万円上乗せ |
| 賃金引上げ特例 | 150万円上乗せ |
| 両特例を満たす場合 | 200万円上乗せ(合計250万円) |
- 補助金は後払い…先に自己負担で支出し、後から補助される仕組みです。手元資金が必要になります
- 採択審査がある…申請すれば必ず受けられるものではありません。不採択になることがあります
- 減額されることもある…審査の結果、申請額から減額または全額対象外となる場合があります
- 特例の要件を満たさないと全体が対象外…インボイス特例を希望した場合、通常枠と特例の要件を1つでも満たさなければ、上乗せ部分だけでなく全体が交付対象外になります
- GビズIDプライムが必要…申請には「GビズIDプライム」のアカウントが必要です。取得に日数がかかるため、公募締切から逆算して先に取得します
対象になる事業者
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
- 商業・サービス業は5人以下…この線が最も厳しい部分です。小売業、飲食業、不動産業などが該当します
- 会社役員と同居の親族従業員は含めない…「常時使用する従業員」の数え方です。日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者も含まれません
- 対象になる法人…株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合、士業法人(弁護士・税理士等)、個人事業主、一定の要件を満たす特定非営利活動法人、医師・歯科医師・助産師です
- 対象にならない法人…一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人、協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)、任意団体です
- 開業前は対象外…申請時点で開業していない創業予定者は対象になりません。開業届を出していても、開業日が申請日より後なら対象外です
- 事業終了まで小規模事業者であること…途中で従業員が増えて基準を超えると要件を欠きます(小規模事業者卒業加点を希望する場合を除く)
2つの特例
- インボイス特例(+50万円)…補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受け、かつ①2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者だった ②2023年10月1日以降に創業したのいずれかに当てはまる事業者
- 賃金引上げ特例(+150万円)…補助事業実施期限日を終点とする連続12か月と、その前年同月の12か月を比較し、従業員1人あたり給与支給総額を3.0%以上増加させること
- 両方を満たせば+200万円…合計で最大250万円になります
- 赤字事業者は補助率も上がる…賃金引上げ特例に申請する事業者のうち業績が赤字の事業者は、補助率が2/3から3/4になり、赤字賃上げ加点による優先採択もあります
- 賃金引上げ特例は達成が条件…目標を設定して表明するだけでなく、実績報告の時点で達成していることが必要です。未達なら補助金は交付されません
- 従業員の数え方が異なる…賃上げ特例での「従業員」には代表者、役員、専従者を含めません。小規模事業者の判定とは別の数え方です
- パートは正社員換算…1人あたり給与支給総額の算出では、パートタイム従業員を正社員の就業時間に換算して人数を出します
- インボイス特例は1回限り…過去にインボイス特例やインボイス枠で採択を受けて補助事業を実施した事業者は、対象外です
対象経費と注意点
| 経費 | 内容 |
|---|---|
| 機械装置等費 | 補助事業に必要な機械装置等の購入 |
| 広報費 | チラシ、看板、広告掲載など |
| ウェブサイト関連費 | サイト制作、ネット広告など |
| 展示会等出展費 | 出展料など(オンライン含む) |
| 旅費 | 販路開拓のための出張 |
| 新商品開発費 | 試作品の開発 |
| 借料 | 機器・設備のリース料 |
| 委託・外注費 | 自社で実施できない業務の外注 |
- 単なる取替え更新は対象外…通常の事業活動のための費用や、機械装置の単なる買い替えは補助対象になりません
- 50万円超は相見積が必要…発注総額(1件あたり)が50万円(税込)超の機械装置等を購入する場合、2者以上からの見積が必要です
- 単価50万円(税抜)以上は処分制限財産…補助金の支払後であっても、一定期間は処分(目的外使用、譲渡、廃棄等)が制限されます。無断で処分すると補助金の返還命令の対象です
- 不正受給には重い罰則…補助金適正化法に基づき、交付決定の取消・返還命令、不正内容の公表のほか、5年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金に処せられることがあります
- 第三者の支援を受けたら申告する…支援料金の支払いの有無にかかわらず、第三者からアドバイスを受けている場合は相手方と金額を記載します。記載がないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消になります
- 高額なアドバイス料に注意…公募要領自体が、サービス内容と乖離した高額な料金を請求する業者への注意を促しています
この補助金は「小規模事業者」の定義が厳しく、商業・サービス業では従業員5人以下です。当社のような不動産業の3名の会社はまさに対象範囲ですが、対象経費が販路開拓に限られるため、何に使うかを先に決めてから申請することになります。上限50万円という数字だけを見ると小さく見えますが、賃上げと組み合わせれば250万円まで伸びる設計です。
よくある質問
Q補助上限はいくらですか
一般型・通常枠は50万円です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方の要件を満たせば200万円が上乗せされ、最大250万円になります。
Qどんな会社が対象ですか
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。会社役員と同居の親族従業員は数に含めません。
Q補助金はいつもらえますか
後払いです。先に自己負担で支出し、実績報告の後に交付されます。手元資金が必要になります。
Q賃金引上げ特例の要件は何ですか
補助事業実施期限日を終点とする連続12か月と前年同月の12か月を比較し、従業員1人あたり給与支給総額を3.0%以上増加させることです。実績報告時点で達成していることが必要です。
まとめ
① 一般型・通常枠は補助率2/3・上限50万円。
② インボイス特例+50万円、賃金引上げ特例+150万円、両方で+200万円(最大250万円)。
③ 赤字事業者が賃金引上げ特例に申請すると補助率が3/4に上がる。
④ 対象は商業・サービス業5人以下/宿泊・娯楽業と製造業その他20人以下。役員と同居親族は含めない。
⑤ 後払い・採択審査あり・GビズIDプライムが必要。50万円超の購入は相見積が要る。
この記事は2026年7月31日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。