ものづくり補助金は統合されました。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金へ
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は第23次公募(2026年5月8日締切)で終了し、中小企業新事業進出補助金と統合されて「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」になりました。2026年6月29日に第1回公募要領が公開されています。
枠は3つ。革新的新製品・サービス枠(旧ものづくり補助金に相当)、新事業進出枠、グローバル枠です。従業員1〜10人の会社が現実的に狙えるのは革新的新製品・サービス枠で、従業員1〜5人なら補助上限750万円、補助率は小規模企業・小規模事業者なら3分の2。ただし賃上げ要件を満たせなければ返還義務があります。
何がどう変わったか
| 項目 | 第23次まで | 第1回(新制度) |
|---|---|---|
| 制度名 | ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 |
| 付加価値額 | 年平均成長率3.0%以上 | 年平均成長率4.0%以上 |
| 賃上げ | 給与支給総額で判定 | 一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上 |
| 事業場内最低賃金 | 地域別最低賃金+一定額 | 地域別最低賃金より30円以上高い水準 |
| ワークライフバランス | — | 次世代法の一般事業主行動計画の策定・公表が要件 |
| 枠 | 製品・サービス高付加価値化枠ほか | 革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠 |
- 第1回の公募は2026年6月29日開始…公式サイトの公募スケジュールでは、申請締切として令和8年9月30日18:00と令和8年10月30日18:00の2つが示されています。自社が申請する枠でどちらになるかは公募要領で確認してください
- 採択発表は令和8年12月または令和9年1月の予定…交付申請は原則、採択発表日から2か月以内です
- 事業実施期間は枠で違う…革新的新製品・サービス枠は交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)、新事業進出枠・グローバル枠は交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)です
- 「ものづくり補助金」で検索しても新制度に行き着かないことがある…旧制度の解説記事がまだ大量に残っています。公募要領は必ず新しいサイトのものを見てください
3つの枠と補助上限
| 従業員数 | 基本の補助上限額 | 賃上げ特例適用時 |
|---|---|---|
| 1〜5人 | 750万円 | 850万円 |
| 6〜20人 | 1,000万円 | 1,250万円 |
| 21〜50人 | 1,500万円 | 2,500万円 |
| 51人以上 | 2,500万円 | 3,500万円 |
- 革新的新製品・サービス枠の補助率…中小企業者は2分の1(地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合は3分の2)、小規模企業・小規模事業者、再生事業者は3分の2です
- 下限は100万円…革新的新製品・サービス枠だけ補助下限額が100万円です。新事業進出枠とグローバル枠は下限750万円なので、小さな会社が現実的に使えるのは革新的新製品・サービス枠になります
- 機械装置・システム構築費が必須…革新的新製品・サービス枠では、この費目を必ず含める必要があります。建物費はこの枠では対象外です
- 新事業進出枠は従業員1〜20人で2,500万円…賃上げ特例適用時は3,000万円。補助率は中小企業者2分の1(一定条件で3分の2)です
- グローバル枠は補助率3分の2…海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化が対象で、海外旅費・通訳翻訳費も補助対象になります
- 対象経費…機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費。建物費は新事業進出枠とグローバル枠のみです
要件は厳しくなった
- 付加価値額の年平均成長率4.0%以上…3〜5年の事業計画期間で達成する計画を作ります。第23次までは3.0%だったので引き上げられています
- 一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上…目標値未達の場合、補助金の返還義務があります
- 事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い水準…事業計画期間中、毎年です。これも未達なら返還義務があります
- ワークライフバランス要件…次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、「両立支援のひろば」で公表していることが必要です
- 子育て等に関する職場環境整備に向けた取り組み…これも要件に入っています
- 金融機関要件…補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受ける場合は、その金融機関等から事業計画の確認を受けます
- 行動計画の策定・公表は見落としやすい…従業員100人以下の会社にとって一般事業主行動計画の策定は努力義務ですが、この補助金では要件です。策定して「両立支援のひろば」に公表するまでに時間がかかります
- 賃上げ特例は上限が上がるが要件も上がる…一人当たり給与支給総額をさらに年平均+2.5%(合計6.0%以上)、事業場内最低賃金をさらに+20円(合計+50円以上)にする必要があります。未達なら返還義務です
- 地域別最低賃金引上げ特例…2024年10月から2025年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3か月以上あること。該当すれば補助率が引き上げられます
- 返還義務の重さは変わらない…賃上げ要件と事業場内最賃水準要件は、いずれも未達なら返還です。3〜5年にわたって毎年の数字を作り続けることになります
小さな会社が確認すること
- 単なる設備導入では通らない…革新的新製品・サービス枠は新製品・新サービスの開発が対象です。既存の製品・サービスの生産プロセスの改善・向上を図る事業は対象外と明記されています
- すでに普及しているものは対象外…同業の中小企業者等において既に相当程度普及している新製品・新サービスの開発も該当しません
- 従業員がいない会社は要注意…賃上げ要件は一人当たり給与支給総額で判定します。役員報酬は給与支給総額に含まれないのが通例なので、従業員がいない一人社長の会社は要件の作りが合いません
- GビズIDプライムを先に取る…電子申請に必要です。取得に時間がかかるので、公募開始を待たずに済ませておきます
- 下限100万円をどう埋めるか…補助率3分の2なら、事業費150万円で補助金100万円です。小さすぎる投資では申請できません
- 当社の視点…不動産仲介のような役務提供業では、この補助金の「革新的な新製品・新サービスの開発」に当てはめるのが難しい場面が多いです。3〜5年の返還リスクを負ってまで取るべきかは、事業計画が先で補助金が後という順番で判断すべきです
この記事は2026年7月31日に公式サイトで確認した内容です。制度が統合されたばかりで、旧ものづくり補助金の解説記事がまだ大量に流通しています。補助率・上限額・要件はいずれも公募回で見直されるため、申請前に必ず該当回の公募要領を確認してください。
よくある質問
Qものづくり補助金はなくなったのですか
第23次公募(2026年5月8日締切)で終了し、中小企業新事業進出補助金と統合されて「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」になりました。2026年6月29日に第1回公募要領が公開されています。
Q従業員5人以下の補助上限はいくらですか
革新的新製品・サービス枠で従業員1〜5人なら基本の補助上限額は750万円、賃上げ特例適用時は850万円です。補助率は小規模企業・小規模事業者なら3分の2です。
Q要件はどう変わりましたか
付加価値額の年平均成長率が3.0%以上から4.0%以上に、賃上げは一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上に、事業場内最低賃金は地域別最低賃金より30円以上高い水準になりました。次世代法の一般事業主行動計画の策定・公表も要件です。
Q賃上げが未達だとどうなりますか
賃上げ要件と事業場内最賃水準要件は、いずれも目標値未達の場合に補助金の返還義務があります。賃上げ特例を適用した場合も同様です。
まとめ
① ものづくり補助金は第23次で終了し、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金へ統合。
② 枠は革新的新製品・サービス/新事業進出/グローバルの3つ。小さな会社は1つ目。
③ 従業員1〜5人で750万円(賃上げ特例850万円)、小規模事業者の補助率2/3、下限100万円。
④ 要件は付加価値額4.0%・一人当たり給与3.5%・事業場内最賃+30円。未達は返還。
⑤ 次世代法の一般事業主行動計画の策定・公表が要件。時間がかかるので早めに。
この記事は2026年7月31日時点の法令・公開情報および当サイトで実測した料金に基づいています。制度・料金は変わることがあります。許認可・登記・税務の個別判断は、所管庁・専門家にご確認ください。本記事は論点の整理であり、法的助言ではありません。